Web3.0時代の“自分で選ぶ・守る・価値を持つ”生き方
― 中央から個へ、これからの時代の「自由」と「責任」 ―
これまでの記事では、NFTやメタバースといった新しい技術を通じて、個人が作品を発信したり、仮想空間での体験を楽しんだりする未来についてご紹介してきました。
そして今、こうした技術の根底にある“考え方”そのものが、大きなうねりとなって社会を変えようとしています。
それが「Web3.0」と呼ばれる、新しいインターネットの潮流です。
これまでのインターネットでは、巨大なプラットフォームを持つ企業が提供するサーバーの中で情報が管理され、
私たちはその枠組みの中でサービスを“利用する”立場でした。
しかしWeb3.0時代では、そのルールや価値のあり方自体を、個人が自ら「選び」「守り」「持つ」ことができるようになります。
巨大な構造はすぐには変わらない。
でも「小さな選択」から変化は始まっている
とはいえ、現実には私たちの多くが、GoogleやApple、Amazonといった巨大プラットフォームのサービスに日々依存しています。
動画の視聴、メールの送受信、クラウドへのファイル保存など、Webの多くは今なおGAFAMの技術基盤に支えられているのが実情です。
ではWeb3.0はまだ夢の話なのでしょうか?
実はそうではありません。
たとえば行政への提出書類や、資格や学歴の証明、趣味で描いたアートの公開など、「個人が管理・発信できる領域」では、
すでにWeb3.0的な仕組みへの移行が始まっています。
これは「すべてを分散化しよう」という話ではなく、“変えても支障がない領域”から、“選びとる自由”が生まれ始めているということです。
こうした動きの背後にあるのが、ブロックチェーンという技術です。
データを特定の企業サーバーではなく、世界中のネットワーク上に分散して保存・共有できる仕組みは、
これからの「自分で選ぶ・守る・価値を持つ」社会にとって、欠かせない土台になるかもしれません。